「鬼が人を喰らい、人が人を食う。共食い、カニバリズム。阿鼻叫喚の地獄絵図は古代日本から始まった」。相模の国のはずれ、丹沢山のふもとに、赤鬼の住む家があった。赤鬼はひどく飢えていた。

わたしが彼と初めてセックスをしたとき、彼には付き合って二年になる、彼女がいた。

わたしは彼を愛し、彼もまたわたしを愛した。

わたしたちは夢中だった。ただひたすらにお互いを求めていた。

四月...

　赤く染まった視界は、男から全てを奪った人間の姿しか見えないのか？

　男は、全てを奪われた日を忘れない。

　左目の視界が赤く染まってしまった日。全てを諦めて、全てを求めた日。

...

原稿用紙1枚に収まる（はず）のショートショートです。

父親の訃報を受け取った女子学生の話です。長くはありません。

実際の地名等出てきますがフィクションです、関係等は全くありません。

初出：ある合同作品集（2015年度より）

　秋雨の降る夜に、自室で悶々と過ごす青年。

　苛立った彼は、壁のラックに掛けた黒革のシースナイフを手に取ると、雨の降る外へと飛び出した。

　この雨と夜闇の向こうにいる”モノ”を探しに……。...

晩秋の夜のこと、晩酌の酒の追加を買いにコンビニへと寄った”私”は、店の前で、一匹の蛾が死んでいるのに気づく。それが、始まりだった――

異様な世界に巻き込まれてしまうのは、ただそこにあったも...

八月二十九日の出来事。変な夢を見たので、それを題材に書いてみました。

実話怪談系短編ホラー小説です。

若干のグロ注意。

　たまの酒の肴にレンタル店で借りたＤＶＤを鑑賞するのが趣味のサラリーマン。

　彼は今夜も酒を買い、五本のＤＶＤをレンタルした。

　しかし、その中には、どういうわけか、レンタルＤＶＤではな...

全くの暗闇…暗夜。

暗夜の下の大海原は漆黒に染め上がり、空との区別すらつかなくなる。

そんな夜の

ある護衛艦乗りの話。

※舞台は護衛艦ですが、ミリタリー要素はほぼゼロです。