小説 / 恋愛
連載中 初恋知らず(恋蛍)
作品の長さ:119,010文字
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春川蛍(はるかわ・ほたる)は恋を知らないまま、生まれたときからの幼馴染、華野健斗(かの・けんと)と結婚する。
大学四年の卒業式後、会社入社前の慌ただしい時期に……。
準社員としてキリシマ・インスツルメンツの総務部一課に配属された蛍の同期は九人。
が、六月まで既に三人が辞めている。
同期の中で蛍は総務部二課の中村葵(なかむら・あおい)と仲が良い。
が、それはフロアが同じだからか。
蛍の同期の中には美形の山口翔(やまぐち・しょう)もいる。
翔は社内の女性社員にモテモテだが、自分からはまるで関心を示さない。
ある日の朝の会話で、もしかしらた蛍は恋を知らないのではないか、と感じた葵は偶々近くを歩いていた翔の方に蛍をぐいと突き飛ばす。
不意を突かれた蛍の身が仰け反り、胸ポケットからスマートフォンが飛び出し、それが翔の足許まで滑り、付いていたアクセサリーが踏まれ、バリッ……。
それが蛍の翔への初恋の始まりだ。