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更新日時:2018.06.24


小説 / ミステリー

完結 招福苑

作品の長さ:56,254文字

(0)読者数:258

横浜中華街の奥にひっそりと招福苑はある。店主は金田満という金に目のない男だ。僅か一坪しかない店には招き猫だけが飾られてある。幸せを呼び込む猫なのか不幸と禍を招く猫なのか、それはあなた次第だ。店主は「祈りとは、神仏に自分やその集団の、幸せを願う宗教的行為、呪いとは、逆に他人やその集団の、不幸せを願う宗教的行為。対象や内容が違うだけで、コインの表と裏のような関係、基本的に同じ行為なのだ。」と語り【水沈盤香】と【百年老檀盤香】、【朝露白檀香】三つのお香を焚きだした。虫を入た壺とお香を焚く火を強め虫を封じて白い紙に何かを書き火をつけて壺に入れ「りん、びょう、とう、しゃ、かい、じん、れつ、ざい、ぜん」と唱えた。一見、蟲毒壺のように見えるが、金田家に伝わる呪いただった。

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