【第34回ノベラボグランプリ　最終候補作品】

闇の中で生きてきた。血と暴力がすべてだった。あの美しい男と会うまでは。

記憶喪失の少年セシルは男娼に身を落とし、社会の最下層での暮らしを始めた。しかし彼はただひとつ、大事な思い出を胸にしまっていた。どんなつらい暮らしにも耐える力を与えてくれる懐かしく温かい思い出を……。

やがて、カジノのオーナーに拾われその子飼いの殺し屋となったセシルの前に、夢から抜け出たように美しい男が現れる。最初は、監視すべき敵として。

1933年夏、モナコ。心をなくした少年の、純情で凶悪な恋物語。

※表紙イラスト：びねが～様

【いるかネットブックス様より電子書籍化されました。こちらでは冒頭の一部のみの公開となります。作品全文：約12万字】