「託宣によりあなたを『神の助け手』としてお迎えいたしました」

　突然の嵐に投げ出され、九死に一生を得た傭兵トーヤは、目覚めると「生き神シャンタル」の侍女である美貌の女神マユリアにそう告げられた。

　代々その身に「女神シャンタル」を宿す少女「生き神シャンタル」、二千年の間永々とつむがれてきた生き神をつなぐ歴史、永遠に続くと思われた神と人との共存、その運命が今試されようとしている。天は一体トーヤに何をしろと言うのか？

　そんな不思議な出来事、８年前の出来事をトーヤは仲間のアランとベルの兄妹に語り始めた。

　再び「シャンタルの神域」に戻るために、連れ帰った「黒のシャンタル」と呼ばれた不思議な少年と共に再び吹き荒れる運命の嵐に立ち向かうために。

　大事な人を亡くしたトーヤは逃げるように船に乗って生まれ故郷を離れた。

　だが、船は嵐に遭い、一人助かったトーヤは見知らぬ国で運命の人々と出会い、思わぬ運命に巻き込まれていく。

　トーヤはシャンタリオから逃げるため、自分が今いる国を知ろうとする。

　まず足を向けたのは自分が流れ着いた「カース」という漁師の町。自分が逃げるために使える人間を探す、使える物を探す。その目的で訪問を決めた。

　カースから戻ったトーヤは、心では逃げるために利用しようと思う人々と、心ならずも絆を深めていく。

　そんな中、「生き神シャンタル」と不思議なつながりを感じさせる衝撃的な出来事が起こる。

　シャンタルとの邂逅で起きた不思議な出来事、恐れを感じ一日も早く逃げようと焦るトーヤの前にカースで知り合ったダルが再び姿を現す。

　ダルから「秘密の抜け道」があると聞き、逃げ道を見付けるために再びカースへと足を向ける。

　逃走のため、利用するためと思いながらもシャンタリオの人々との絆を深めていくトーヤ。

　ある出来事からトーヤは「聖なる森」に足を踏み入れる。

　悲しい出来事の後、トーヤは己の進むべき道を考え始めた。

　そんな中、ふとしたことから「黒のシャンタル」のことを知る。

　自分の進む道を探しながらも逃げる道も探していたトーヤだが、再びマユリアと出会い、ある「契約」を結ぶことになる。

　自分の運命のため、契約を結んだ「仕事」のために動くトーヤ。

　そして「もう一人のマユリア」と呼ばれる女性と出会い、さらなる運命の不思議を知る。

　運命を自分の手で開くため東奔西走するトーヤは「生き神シャンタル」とも接触を持つこととなり、ある日、神の奇跡をその目にする。